味彩通信
Vol.25-2000.10

お殿様も絶賛!おいしい秋のさんま

「秋刀魚」は、読んで字の如く秋を代表する魚です。回遊魚の秋刀魚は、黒潮周辺の海域で生まれ北上し、8月の中旬頃に今度は北海道から南下。房総沖に来る11月頃までが産卵を控え、脂ののった美味しいさんまが味わえるそうです。また落語「目黒のさんま」では、お殿様が忘れられないくらい美味しかったとか。獲れたて、焼きたての旬のサンマは昔から秋のうまいものの代表なんですね。今回は栄養価が高く、値段は安い庶民の味方のさんまをご紹介いたします。
さんまを食べていつまでも若く健康に!
健康ブームで数年前から注目されているDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、高度不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪の成分。これらはコレステロール値を下げたり、血液の流れを正常に保つ働きがあり生活習慣病の予防にも役立つとされています。特にDHAは脳の働きや視力にも関係しており、学習機能の向上、老人性痴呆症の防止に効果があると多くの研究成果が発表されています。青魚にはこの2つがたくさん含まれ、もちろん脂がのったこの時期のさんまには、皮や内臓にまでDHAとEPAがたっぷりと含まれています。
「サンマが出ると按摩が引っ込む」
この諺は、秋になると安くて美味しいサンマが食卓に並び庶民の健康状態が良くなると、按摩師の仕事が減るという意味ですが、サンマの栄養がいかに優れているかがわかります。事実脂ののった旬のサンマには、DHAやEPAの他にもバランス良く栄養素が含まれています(下記参照)。特にカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDが多く含まれていることから、カルシウム不足の日本人には打ってつけの魚と言えます。

赤いネオン誘われるさんま やっぱりオス!?
餌は使わず、光に集まる習性を利用して夜に行われるサンマ漁。魚群探知機などでサンマの群れを見つけたら集魚灯を点けて群れのほうへ進みサンマを集めます。充分に集まったところで端から順に明かりを消し網のほうへサンマを誘導。網の上に集まったところで赤い光をつけ、サンマがこの光に気をとられている間に網をたぐり寄せフィッシュポンプで船の魚倉に汲み上げます。この漁法だとサンマが網に絡まってキズつくことなく、効率良く獲ることができるのだそうです。実はサンマは光の中でも特に赤を好むそうですが、この習性サンマだけではなさそうですよね。ちなみに産卵が近いサンマは光に寄ってこないので獲ることが出来ないそうです。


最近では冷凍技術が発達して、秋刀魚も1年中市場に出回るようになりましたが、私はやっぱりこの時期の栄養をいっぱい蓄えて、オレンジの唇をツンとさせたキラキラ光る旬のさんまが大好きです。刺身や塩焼き、唐揚げ、蒲焼...etc.と調理法も様々です。特に塩焼きは、塩をしてそのまま焼くだけの簡単調理。時間のない働く主婦には大助かりです。その上「安い」とくれば言うことナシ!ですね。安い、うまい、栄養満点の3拍子揃った秋刀魚をしっかり食べて健康でハリのある毎日をお送りください。
*参考文献:水産庁北海道区水産研究所「道東のサンマ」、ベターホーム「食品成分表」


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