味彩通信
Vol.14-1999.5
ちゃ!チャ!cha!お茶

先月香港に行ってきました。料理はもちろんのことお茶を十二分に堪能してきました。日本と違って香港のレストランではどこへ行ってもポットでお茶が出され、お茶が無くなればポットの蓋をずらしておくとお湯を足してくれますし、また茶舗では「工夫式」という方法で入れたお茶を試飲させてくれます。今回は世界に広がったお茶の原点である中国茶をちょぴり覗いてみました。

中国茶の種類 中国茶は緑茶・白茶・黄茶・青茶・紅茶・黒茶と花の香りをつけた花茶の7種類。お茶はもともとつばき科の一種であるお茶の木から作られ、その製法(発酵度合)により分類されます。ここでの発酵とは、お茶を揉んだとき葉からでるカテキンが空気中の酸素にふれ反応することをいいます。それではお茶の種類を簡単にご紹介しましょう。

種類 発酵度 代表的なお茶 特  徴
緑茶 不発酵 龍井・碧螺春 摘んだ状態で熱を加え茶葉の発酵を止めたお茶。
白茶 弱発酵 銀針白ゴウ・白牡丹 自然のまま軽く発酵させたお茶。葉の色が白く見える。
黄茶 弱後発酵 君山銀針 白茶より発酵度が少し高いお茶。茶葉、茶湯とも黄色い。
青茶 半発酵 鉄観音・烏龍茶 発酵途中で熱を加え発酵止めたお茶。発酵幅が広く多種。
紅茶 完全発酵 祁門紅茶・真紅 完全発酵させたお茶。
黒茶 後発酵 プァール・六安 緑茶を堆積させ菌で発酵させたお茶。
花茶 加工茶 ジャスミン・桂花茶 花の香を吸着させたお茶。緑茶ベースが多い。

1.口臭・虫歯の予防に!
ほとんどのお茶にはフッ素が含まれています。そのためお茶をよく飲む人は虫歯になりにくいのです。また、中国料理は多くの臭いの強い薬味を使うため口臭が気になります。しかし香り高い烏龍茶や、ジャスミン茶を飲むことにより、口臭を芳しい香りにかえ、さらに殺菌効果もあり口のなかの雑菌をさっぱりと流してくれます。

2.水虫退治に!
これからの季節の気になる水虫対策にも活躍します。水虫治療にはただただ茶湯に足を浸けるだけ。時間はかかりますが効果あり。また予防策として使用後の茶葉をよく乾燥させ、綿やガーゼで作った小袋に入れてシューキーパーに!悪臭を取り除き、殺菌してくれます。

3.旅のお供に
「水土不服」=土や水が合わないの意。水の悪い所ほど茶が育つと言われる位、おいしい飲料を得るため中国の人は茶葉を開発しました。その茶葉を旅に携帯し水でお腹をこわすことがなくなりました。今でも万一に備え飲み慣れた茶葉を持って旅に出るそうです。 お茶の効果あれこれ
紅茶はインドじゃないの?
昔、イギリスは中国からお茶を輸入していました。中国は茶の種子や苗を流出するのを抑えていましたが、プラントハンターのロバート・フォーチュンが「ワードの箱」という特殊なガラス張りの小型携帯用温室に茶の種子を入れて持ち帰ろうとしたところ、航海中にたまたま発芽し、カルカッタに到着。東インド会社の手に渡りその苗木が育てられ、10万本を超えるほどになり高地インドで紅茶が大量生産されるようになりました。

アールグレーも中国茶
中国紅茶と言ってもあまりピンとこない方が多いのではないでしょうか。中国紅茶の多くは、キーマンと言う紅茶に香りを付けたものが多いそうです。馴染みのものではアイスティーでよく飲まれるアール グレー(ベルガモットの芳香)があります。

香港では飲茶も楽しんできました。本来飲茶とは、新聞を読んだり、友達と談笑しながら「茶桜」(お茶と点心を楽しむレストラン)で点心をつまみながらお茶をのんびりといただくことで、なんと10数年前までは「茶桜」で鳥の鳴き合わせをしながらお茶を楽しんでいたそうです。優雅ですね。私達も慌ただしい日々からちょっと離れて、ゆっくりと入れたお茶を、のんびりと飲む。たまには、そんな豊かな時間を大切にしたいものですね。
*参考文献:三心堂出版「中国茶」,保育社「中国茶の世界」,ホームページ「中国茶の愉しみ」


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