私の患者さまで寺の住職さんがいらっしゃった。その方に「お年寄りの方に往診のことを話したいので、どこかお年寄りの方が集まるところはないでしょうか?」と下心丸出しの質問をしたことがある。すると意外にも住職さんは「介護保険が施行されてから、寺と家庭の絆が薄くなってしまった」というのである。なんでも、「老人は限られた収入で暮らしている。そこに介護保険の徴収が始まった。まあ、平均して3000円前後だろうか。すると生活の中で3000円前後削ろうとすると、寺のお布施が丁度よい金額だそうだ。 最近だと、檀家廻りをしても居留守を使われることがある。」そうなのである。 郡部では、僧侶は大変尊敬される職業である。そういう訳だから、自然に介護の相談もあるらしい。しかし、僧侶は介護保険の知識は少ない場合が多く、逆に僧侶から相談されたこともあった。そんな訳だから、僧侶に少し介護保険の知識を吹き込もうという今考えたら「天を恐れない、バチあたりのこと」をついつい考えてしまった。 件の住職はその辺を見抜いたようで「先生、お年寄りが今一番気兼ねなく集まれるところが病院だよ!燈台下暗しとはまさにこのことですよ」と高らかに声をあげて笑った。 住職の笑い声が妙に診療所に響いた。 |
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| <2004.2.4> |
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