僻地に生きる歯科医
介護保険のヒズミを逆手にとってのビジネスは大はやり!

護保険が導入されて数年がたった。私の町のような小さなマチの介護保険施設はどこも経営が大変だ。施設介護はハコが小さいため、スケールメリットの恩恵を受けられないばかりか、比較的要介護度の高い人や痴呆がある人が多い傾向にある。ひとつの原因として都市の介護保険施設が入所者を選んでいることがあげられる。介護に関する相談でよく聞かれるのが「痴呆がある」と言った途端、入所を断られたケースが往々にしてあるということである。これも、特定の介護保険施設で起きている。そういう介護保険施設へ行くと、入り口に大きく「当施設では身体の拘束は一切行っていません」などと書いている。そりゃそうだろう。そういった方を排除しているんだから。

護保険とは直接関係がないケアーハウスも最近は負けてはいない。あるケアーハウスの患者様の診療記録を見てちょっとヘンなことに気がついた。患者様の90%以上が厚生年金をもらっているのである。厚生年金の受給者の割合が異常に多い。なんでも、国民年金のみならケアーハウスの生活費等が払えないので厚生年金受給者が優先だそうだ。

所の人もケアーハウスは介護サービスを外部から利用する形式なので、このような優先順位をつけても法律には触れないそうだ。そして契約はあくまでも利用者と施設側の関係で行政は関与できないそうだ。ケアーハウスの利点として利用者の選択の自由度を高めるために、あえて行政が契約に関与しないという点があげられる。ところが本来入居者のための条項が施設側に逆手に取られて、入居者が施設側に露骨に選択されている例を散見する。

ればかりではない。そこのケアーハウスの同じ敷地内に申し訳程度の介護支援施設がある。そこに住む方専用の施設だそうで、近所に住む地域の人は事実上介護サービスを利用できないそうだ。そのケアーハウスのすぐそばに私の診療所にかつて通院されていた老人(独居)がいらっしゃるが、見えるところに介護支援施設がありながらホームヘルパーなどは呼ぶことはできないそうだ。

ればかりか、すぐそばのケアーハウスでは事実上入所者専用のデーケアーなるものを始めたそうだ。ウワサであるが、朝の点呼と称してみんなデールームに集まり、点呼後は自由解散だそうだ。片方ではサービスを利用したくても利用できない人がいて、その近所には介護サービスの消化に追われる人がいる。しかし、このいびつを是正する力は正直いって今の私にはない。ケアマネージャーの資格が泣いている。
<2003.12.3>

INDEX