僻地に生きる歯科医
最近歯科用材流通事情〜油断するととんだトバッチリが…〜

の診療所に出入りしている業者間にも、リストラの波がおしよせている。いつも来ていた担当者が子会社へ転属になったり、管轄している営業所が別の営業所の管轄になったりして、彼等との何十年にも及ぶ付合いも少しずつ変化してきた。こういった変化は一般的には消費者サービスは向上することが多いが、こと歯科の業者に関してはデメリットの方が多い。特に郡部では出入り業者間に「なわばり」というものがあり、ある会社が出入りすると別の会社はそこの歯科診療所へは出入りしないというシステムを何十年もかけて作っていたので、(最近は少なくなったものの)弊害は多い。

の弊害の最たるものが納期の遅れである。毎月25日に発行している月刊誌が翌月の10日すぎに届いたり、ユニットの部品1個取寄せるのにひと月以上かかることが決して珍しくない。納期が遅れる原因の一つに、特定の人のミスや勘違いが挙げられる。かつて私の担当が10回連続発注ミスをしたので「担当を代えて欲しい」と頼んだことがあった。ところが、会社からは意外な返答がきた。「担当者の数が少ないので代えられない。どうしてもというなら、別の会社に頼んでくれ」というものであった。信じられないがこれが当地の現実なのである。だから、注文をするときにはわざと担当者がいないときを見計らって電話したり、特に急ぐものは何度か念を押す必要がある。

ういったわけだから、ある程度の在庫を持たないとスムーズな診療が出来ないようになってしまった。特に在庫が必要ではないのにしかたがなく在庫を持つのは、なにか材料店を儲けさせる為に我々の資金の流れを止められる感じがしていい気はしない。そういった状況下では、責任のあるサービスなどは受けにくい部分がでてくる。以前、比較的頻繁に壊れやすい部品があった。取寄せるのに時間がかかるので、サービスマンに「この部品はストックしておいた方が良いですよ」と言われ、ついつい口車に乗って納入したことがある。その後、数万円の請求書が送られてきた。すこし「むっ〜」としたが「まあ、後で役に立つからしょうがないか!」と思い渋々支払いに応じた。ところがイザ使用する段になって、なんと規格が私のユニットと合わないのである。「至急、部品を交換します」と言ってもうひと月になるが何の連絡もなく、月末には新たに購入した部品の請求書だけが送られてきた。

ういう中で、通信販売が最近伸びてきたというのも頷ける。以前と比べ格段に商品知識も増え(中には例外もあるが)サンプルもある。何よりもスピィーディーである。こういった僻地でも2日あれば、荷物が着く。従来持っていた、メリットがなくなりつつある歯科材料店に代わって、通販が歯科用材流通の主役になる日もちかいかもしれない。
<2003.4.11>

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