「お前のところ、医療法人だろう?」 「うん、そうだよ」 「ところで、お蔭様でな、うちの歯科診療所も順調で、税理士からも法人成りを薦められたんだ。ところで、医療法人ってどういうもんかな?…」 誠にうらやましい話である。私の友人の歯科診療所は医療法人と個人での損益分岐点(?)は軽くクリアーしているし、ビル診なので節税対策はしにくい、奥さんが別の事業をしているなど、法人成りをする(よく勉強会などでいわれる)要件は満たしている。 私が法人成りした時は、今より所得税がずーと高率でそれなりの節税効果はあった。また、私の場合、今までドンブリ勘定で生まれてこのかた、自分で帳簿をつけたことが1度もない父と一緒にやっていくためには、どうしてもお互いのルール作りが必要であったために、やむを得ず法人成りしたのである。だから、私の父がもう少し税務や会計の知識がしっかりしていたら、おそらくは法人成りなどをしなかったであろう。 私は時々、法人成りをして誰が一番得をするのかと考えることがある。というのは世間でいわれるほどのメリットを感じないからである。むしろデメリットの方を感じてしまう。親族のみで成立っている法人では法人成りすると色々と法人にたかってくる身内がいることが多い。このことは身内の恥になるので多くの先生方はおっしやらないが、友人などに聞くと結構多いらしい。 家族が健康保険料・介護保険料・電気代・新聞代・電話代などを払わなくなった。税金を払わなくなった。法人成りを境に理事長夫人の生活が急に派手になった等、枚挙に暇がない。根底には「法人で節税してうまくやっているんだから、私にもおこぼれ頂戴」とうタカリ根性があるのではないか?と思う。 でも一番得をするのは税理士ではないかとついつい思ってしまう。自分のコンサルティングの怠慢を棚に上げ法人成りを進める例が少なくない。(小規模共済に加入しないで「もう節税できません」などと言っている論外も多い)しかも、法人成りの場合ほとんどの場合、顧問料も上手にアップさせる。さらに「理事長様に何かあったら、みんなが困りますから…」と自尊心をくすぐられながら、ご丁寧に生命保険まですすめてくれる場合が少なくない。 私の顧問税理士の場合、以上のことを事前にハッキリと説明してくれたが、みなさんの場合はいかがでしょうか?所得税の税率が改定された現在、以前ほどの節税メリットはないはず。もしこの文章をお読みの先生の中で法人成りを検討していらっしゃったら、もう1度、検討してからでも遅くはないような気がします。まずは参考までに。 |
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| <2002.8.7> |
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