夏休みがやってきました

年も夏休みの季節がやってきた。今年はカレンダーの関係上、13日から15日が休診というケースが多いようだ。旧盆も近いせいか、若い人たちがぞくぞく帰省しており、「普段からこんなに人がいたらもっと景気がいいのにな」とついつい思ってしまう。私の妻も里帰りしており(当地では旧盆の最中、特に事情がなければ実家に里帰りしてもよいという習慣がある)平和な日々を送るハズだった。妻が里帰りする際、義母が急病になり急遽実家へ行ってしまったので(注:ケンカして出ていったわけではありません、念のため)けっこう困ったことがでてきた。

ず洗濯が困った。自家の全自動洗濯機の使い方がわからず、しょうがないから診療室の洗濯機で洗濯しようと洗濯物をディーパックに詰め診療所へむかった。ところがバスが夏休み運休でない。次のバスまでたっぷり2時間はある。仕方がないのでタクシーを呼ぼうとしたが、携帯電話を忘れてしまい、近所の公衆電話ボックスへむかう。だが電話ボックスの入り口に「電話機は撤去しました」との張り紙があった。やむをえず、近所の知合いの家で電話を借りた。いまさらながら女房の有り難味を少しは感じ取った次第である。

ころでこの文章をお読みの先生方は、ご自分の診療所の備品はどこにあるのか又どのようにして使用するのかご存知だろうか?私の知っているある先生は診療所の備品購入や準備はすべてスタッフの仕事と割りきっていらっしゃる。私の歯科診療所では事実上私が備品購入や機器維持をしているのと好対称である。そういうわけだから、時々ストックを切らしてしまうことがある。恥ずかしい話だがこの先生から機具や材料を借りた事もあった。

る日、ひょんなことからこの先生の診療所の棚卸しをすることになった。聞けばこの先生はここ30年(3年ではありません!)棚卸しをしたことがなく、止むに辞めない事情があり渋々棚卸しをするそうだ。帳簿を見せてもらうと内容は真っ白、完全なドンブリ勘定状態だ。

卸しをしてとにかく驚いた。開封して少しだけ使ったものがたくさんあるのである。印象材や石膏は半分くらい残ったものが10袋以上あった。注文単位をまちがったのではないかと思われる物もあった。燃料用のメタノールが40リットル以上もあったり、どう考えても歯科には使用しない抗生物質が数万錠天井裏にひっそりとおかれていた。おそらく、歯科でよく使う薬剤と似た名前だったので間違えて購入し、証拠隠滅のため天井裏に置いたのだろう。

ればかりではない。未装着のクラウン・ブリッジ・義歯がダンボール箱一杯あった。義歯の数を数えたが200個になった時点でバカらしくなってやめた。もう一つのダンボール箱には書類が一杯入っていた。生活保護のレセプトや意見書が100枚以上出てきた。そしてなんと支払い基金や国保連合会から返戻になったレセプトが未開封のまま出てきた。薄い封筒がないことから返戻多い月を選択的に捨てたのだろう。聞くところによると医科ではよくあることだそうで、こうして捨てられたレセプトは実態を調べるのは極めて困難だそうだ。

卸しをして結局下手な高級乗用車が買えるくらいのムダがあった。「経営は人任せではいけない」と実感した瞬間であった。
<2001.10.3>

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