最近の電車事情

は自動車を持っていない。近くの都市(都市といっても人口30万人位、もっとも北海道では人口1万人を越えれば立派な街だが)そこで会議や会合があると必ず御世話になるのが最終列車である。よく最終列車は人生の行き着く姿の縮図であると言われているが、当地では少々事情が異なる。

客はけっこう若い女性が乗っている。ほとんどの女の子には、若い男の子が見送りに来ている。若い男の子と女の子が(男女と言うと年寄りくさい)発車ギリギリまで余波(なごり)を惜しんでいた。この列車は23時59分に当地へ着く。すると今度は当地の若い男の子たちが出迎えにやってくる。ところがこの女の子たちの態度が少し違うのである。つまり発車の時に比べ態度が大きいのである。

地はご多分にもれず過疎地である。東京23区より広い場所に20代前半の女性が既婚者も含めて500人もいないのである。出迎える地元の男の子たちも必死である。私はなにか彼等が可哀相に見えてきた。
 役所の人たちと何の会だか忘れたが、町長が「この町の若い人たちの悩みを聞くにはどうするのが効果的でしょうか?」と聞かれた時私はこの話をした。私はきっとウケるのではないかと思っていたが、町長は黙って何度も頷いていた。(後日、町の幹部が実際にこの列車に乗ったという噂を耳にした)

対に朝一番の列車はおもしろい。当地を5時34分に発車する列車である。乗客の大部分は学生さんであるが、通院の方も少なくない。通院している方々も互いに顔馴染みが多い。当然会話も病院の話が出てくる。昔はどこの病院が良いとかといううわさ話が中心であったが、最近では世相を反映(マスコミに毒されて?)してか、「どこの病院が良くない。○×病院で治らなかったものが○△病院ではピタリと治った」など主治医が聞いたらさぞ腰を抜かす様なものがポンポンと出てくる。さらに医療従事者のスキャンダルもけっこう話題になっているようだ。「あそこの病院は○億の借金をかかえている」とか、「あの病院の先生の子供グレている」「看護婦の△○さんは不倫をしている」etc多岐に渡る。
 ウソ、デタラメなら笑ってやりすごせるが下手をすると半分近くが本当なことだけに、笑うに笑えない事情がある。

「壁に耳あり、障子に目あり」という諺がある。我々も私生活には充分に気をつけていきたいものである。
<2001.9.5>

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