|
|
| Vol.75-2007.12 |
|
今年の7月、砂漠化防止の植林活動のため、内モンゴルへ行った時のことです。 夕方、北京駅を発った寝台列車は一晩かけて険しい山地や高原地帯を抜け、翌朝に草原の広がる内モンゴルの都市フフホトへ到着。小雨模様に、現地で案内をしてくれた青年は、「めったに雨は降りません。きっと、日本のみなさんが運んできてくれたのでしょう」と。 年間降雨量300ミリのこの地域は、砂漠化が深刻で、農業にも大きく影響しています。大きな川が干上がってしまい小川ほどの流れになり、その対岸には砂が迫ってきている…まるでスキー場のゲレンデのような景色を見ました。 植林活動を現地の小学生と協力して行い、宿泊地ダラトキの街へ引き返しました。草原のそこかしこに岩が露出していて、白い部分が見えます。真っ白なものは岩塩なのだといいます。 「この岩塩の傍の草を食べて育つから、この辺の羊はおいしいんだ!」と現地の人たちは自慢します。 お昼ご飯は、包(パオ)(モンゴル語ではゲル)と呼ばれるモンゴル式住居のレストランで。ミルクティが出され、チーズでできたキャンディやチーズのかりんとうみたいなお菓子、カリカリに焼いたパン、雑穀の粟など共にいただきました。それから、岡ひじきのような野菜とじゃがいもの炒め物、豚の軟骨、羊の蹄の部分、血の腸詰などが次々と出てきます。メインディッシュの羊の肉はぶつ切りで、骨付きのままの塩茹でで「ど〜ん」と出されました。 各自で自分のお皿に取り分け、ちぎったりかじったりの苦戦の末に、特製のタレをつけて食べたのですが、確かに癖のない肉でした。最後に、肉粥と漬物で昼食は終わりです。
メニューは、この昼食に加えて、野菜炒めや川魚の蒸し物、牛肉の炒め物、何か芋類の甘酢飴煮なども。たくさんの皿が並び、飲み物もビールにプラス「白酒(パイチュー)」が出されました。 現地ダラトキの副市長が同席し、我々の植林活動に謝辞を述べました。この方は「蒙古族」の女性で、なかなか立派な体格。そして立派な「呑みっぷり」なのであります。 「酒」と「タバコ」でもてなすのがこちら流らしく、宴席にはタバコと長〜いマッチも置かれていました。 宴会もたけなわ、民族衣装の女性二人が、これまた民族衣装の馬頭琴奏者の青年を引き連れて現れました。この女性たち、お椀を載せたお盆を掲げ、馬頭琴の調べに乗って声高に歌い始めます。テーブルのお客を目指して近づくと、 「ようこそ来てくれました。歓迎します。この杯をとり全部飲み干してください」ってな感じの歌を歌うのです。そして、ターゲットに「白酒」を勧めます。お酒の好きな人にとってはうれしいセレモニー、ちょっと苦手な人にとっては「無理強い」ですね。全部飲み干すまで歌い続けるんだもの! しかも、何度もやってきては「飲め飲め!!」と歌うのですよ。 私も「嫌いではない」から、何度かこの「歓迎一気」に付き合ったのですが、ダウンを恐れて、おっかなびっくりで「…受けて立つ!!」状態。それでも、かなり飲みました。意外なことに、度数の強い白酒は悪酔いもせず、次の朝もすっきりと目覚めたのでした。 でも、酔った勢いでさっさと寝てしまったのが、今になってみれば残念! 満天の星空も見られなかったのですから。 (もっとも曇り空で、星は見えなかったそうですが…)
|
||||
| 及川喜久子さんのプロフィールはこちら |
| INDEX |