味彩通信
Vol.69-2007.5
鉄鍋のすすめ

 奥州水沢は南部鉄器のふるさと、市の東部、羽田地区には鋳物工場のキューポラ(鉄を溶かす炉)が多く見られます。
 北上川から取れる砂鉄を使って庶民の使う鍋・釜・農耕具を作ったのがその起源と言われ、後に南部の殿様に献上する茶釜や工芸品といった高級品も生まれました。

 さて、そんな水沢に生まれ育った私ですが、鉄鍋を日常の調理に使い始めたのはほんの7年ほど前のことです。意外なことに地元では「南部鉄器」といえば風鈴・鉄瓶などお土産品のイメージでとらえられていて、毎日の生活において鉄鍋はもう過去の物といった感がありました。
 確かに「すき焼き鍋」は日常使われていますが「ごちそう」用ですから使われるのは年に数えるほどでしょう。重い、さびるといったハンディから、おしゃれで便利な鍋に主役を譲ってかなりの時間が経ちました。

 でもその鉄鍋を使うようになって我が家のキッチンは日々驚きの連続!! 大げさじゃなくて本当にこれは「すぐれもの」なのです。
 簡単にお試しメニューを紹介しながらその「すぐれ」度を説明します。南部鉄器のすき焼き鍋を使ってトライしてください。

 まず、みんなが大好きなギョーザを焼きましょう。
鉄鍋ギョーザ鉄鍋ギョーザ
鉄鍋ギョーザ
次のメニューは焼きおにぎりです。
焼きおにぎり
「さび」たときのお手入れ
  1. まず亀の子たわしやスポンジでさびを洗い流します。洗剤は使いません。
  2. 軽く水気をふき取って中火にかけ水分を飛ばしたら、食用油を入れて熱します(食用油は使い古しで結構です)。
  3. 火からはずし荒熱がとれたらペーパータオルで油をふき取り、水とたわしで洗い流してください。
  4. 再び水気をふき取り中火にかけて水分を飛ばせば完了です。
及川喜久子

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