 |
我が家の晩酌は、麦焼酎にレモンをキュウッと搾ったオンザロックスタイルが定番。1日に1個、つまり1カ月で30個近く消費するため、レモンにはちょっと一家言あります。結構な使用量なので、形は良くてもポストハーベストなどの心配がある輸入レモンはパス。一方、国産のレモンは、なんだか小さくて皮ばかり厚く、果汁が少ないのが難点…。と思っていたところ、近所の伊勢丹ストアというスーパーで出会ったのが、岩城島のレモンでした。
手の平に余るような大きな実、青みを帯びたつややかな果皮、はじけるようなたっぷりの果汁。都会で病んだ心も、ハッと正気に帰るようなトパアズ色の香気。それにしても、こんな立派なレモンが育つのは、一体どんなところなのかしらねぇ…。というわけで、思いっきり私情を交えて、先日、某誌の取材で、このレモンの生まれ故郷、愛媛県の岩城島を訪れました。
広島空港から山陽自動車道、しまなみ海道を抜け、生口島洲江港まで車を走らせること約1時間半。さらにここから車ごとフェリーに乗り継いで5分。穏やかな波にゆらりゆられて、ようやくたどり着いた岩城島。瀬戸内海中心部に位置し、島民数は2500人にも満たない小さな島ですが、この時期は島中のいたるところにみかんやレモンがたわわに実り、さながら地中海のよう。といっても、ここの名産となっているレモンはハウス栽培が主体です。
案内されたハウスは、一歩足を踏み入れると、真冬だというのにほっこりとあったか。そして一瞬、「あぁ、私ったらお酒を飲み過ぎて、早々と“あちら”の世界に来てしまったのだわ」と思うくらい、夢のように甘い花の香りでいっぱい。ぐるりと見渡せば、丹精込めて育てられ、細い枝がぐ〜んとしなるほど丸々と実ったレモンがぎっしり。
ところで“レモンイエロー”という言葉があるように、レモンといえば黄色というのが一般認識ですが、岩城島では10〜12月の間は青いレモンが出荷されます。品種はアレンユーレカ。といってもこのレモンが特別青いというわけではなく、本来レモンは完熟してもグリーンなのだとか。レモンは四季咲きなので、夏場をのぞいてほぼ通年収穫できるのですが、色は時期によって変化。レモンの収穫が始まる秋から年内一杯までは緑色、年が明けると気温などの影響で黄色く色づいてくるというわけ。青いレモンは新鮮で清冽な香り、黄色いレモンは果汁に丸みがあって、すっぱさの中に甘みがあります。
そして岩城島のレモンは味もさることながら、極めて低農薬で、防腐剤、ワックスもいっさいなし。さっと水洗いするだけで皮まで安心して食べられるというのが自慢です。皮は薄く剥いてマーマレードにしても美味。我が家では、果汁を搾ったレモンを布袋に包んで、お風呂に浮かべます。清々しい香りに包まれたバスタイムは“至福”のひとこと。おつむの中までぽやぽや〜っとふやけ…。って、おっと、いかんいかん。それこそ、そのまま天国に行ってしまわぬように用心用心。
|
 |