味彩通信
Vol.61-2006.7
ただいま入院中です

 以前から調子の悪かった部分の関節を人工の物と入れ替えました。
 快調!!です。
 術後40時間で体についていた5本の管(酸素・輸血・尿の管・痛み止めのチューブ・傷の部分に入っていたドレン)がはずされ車椅子に。こんなに早くベッドから解放されるとは予想外でした。

 この病院は可能なかぎり食堂に集まって食事をします。手術の3日後から食堂にデビューしたわけですが、ベッドの上で食べるのとは数段も違う「おいしさ」がありました。

 「食」の仕事をしている立場からみると本当に苦労して作ったメニューに感心させられます。が、そんな工夫が盛りだくさんのメニューも2週間も食べ続けると「飽きて」くるのです。
 ここの病院は老人介護施設も併設されているので主菜はお魚中心。一日のうち朝の主菜は卵料理か練り物(かまぼこ・薩摩揚げ・はんぺん・ウインナーソーセージ等)、昼の主菜は魚類、そして夜も魚類か肉料理。
 副菜はおひたし類、酢の物、サラダ類。三食ほとんどみそ汁がつきます(私にとってはありがたいこと)。週に一度は「選べるメニュー」で、あらかじめ二つのうち一つを選んでリクエストしておく。たとえば「カニチャーハン」か「月見うどん」、「穴子丼」か「なめこそば」といった具合で結構みんなのお楽しみとなります。

 さて、今回のお話は「お魚」のこと。
 ほとんど毎日出てくる切り身のお魚、全く骨がないのです。「エックス線でチェックしているお魚の切り身」なんだそう。
 ご年輩や病気の後遺症で飲み込む力の弱っている患者もいるためらしいです。鯖、鰈、鰺、鱈、銀鱈、どれも骨なし。食べやすい! 調理法も照り焼き、香味焼き、ピカタ、揚げ出し、胡麻衣焼き、ネギみそ焼きなどなどバラエティに富んでいます。
 傑作は「白身魚のお好み焼き」。
 鱈の切り身の上にキャベツ・紅しょうが入りのお好み焼きの生地がうっすらかけてあって焼いてあるもの。仕上げにお好みソースとマヨネーズがトッピングされていて、なかなかおいしいです。これなら魚嫌いの子供も食べるかもしれません。

 もうひとつ感心させられるのは「添え物」。たとえば焼き魚には大葉が敷いてあり、端噛み生姜がついてきます。
 ピカタにはサニーレタスとミニトマト、揚げ出しの魚には小ネギ入り大根下ろし、胡麻衣焼きにはゆでたオクラと紅白かまぼこといった具合に彩り良く添えてあります。甘い卵焼きにガリ(甘酢しょうが)、デザートのティーゼリーにはスライスレモンとなかなか気が利いています。
 只今入院40日目、メニューもひととおり出そろった感じですが、時たま「サプライズ!」じゃあないだろうけど「牛丼」「ハンバーグ」「マーボ豆腐」「肉じゃが」が出ました。

 老人介護の施設とともにここにはスポーツでけがをした入院患者のリハビリ設備が充実していて、若いアスリート達も多く入院しています。彼らにもサービスしなくちゃね!
 と言う訳で、104歳のおばあちゃんから15歳のバレーボール選手まで食堂に集まって「いただきまぁす!」となるのです。

及川喜久子

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