 |
このところ、私の周辺は出産ラッシュ。編集者、カメラマン、スタイリストなど、多忙な女性達に、「ホントに少子化なの?」というくらい、つぎつぎと可愛い赤ちゃんが誕生して、実に頼もしい限り。
これまで出産祝いには、いろいろ頭を悩ませてきましたが、あまり実用に走りすぎず、記念になり、多少ほかとだぶっても邪魔にならないということで、最近は食器を送ることが定番化してきました。
子どもの器というと、落としても割れにくく、軽いものということで、キャラクターなどをあしらったプラスチック製のものが多く出回っていますが、「なにかもっと赤ちゃんが心地よいものはないかしら?」と探していて出会ったのが、青森の『くらしのクラフトゆずりは』という工芸品店(TEL 0176-75-2290)で扱っている、木製のちいさなお椀とお匙が組になった『保育椀セット』です。
私自身には子どもがいないのでなんとも言えないのですが、かつてホームに入っている祖母を見舞っていた頃、食事時に出されるプラスチックの器が介助する身にもなんとも味気なく、普通のお茶碗で食べさせてやりたいなぁと感じたことが今も心に残っており、きっと“心地良い”という感覚は赤ちゃんもお年寄りも同じなのではなかろうかと勝手に解釈している次第。でもこれがなかなか好評なのです。
もちろんいささかのお世辞は含まれていると思いますが、とある新米ママさんからは、“ちびも日々コロコロと肥え、もう歯が生えてきました。4か月半なのに…早すぎる…。こちらが食べているのを見て、口をもぐもぐさせるので、少しずつ離乳食を始めました。まだ果汁だけなのですが、いただいたスプーンと食器を使ってみてびっくり。スプーンのカーブがすごく計算されていて、子供の口にばっちりフィットするのです。金属の離乳食専用スプーンもあるので、そちらも使ってみたのですが、木のお匙のほうが口当たりもよく、冷たくないみたいで、もぐもぐする回数が格段に違うので感動しています。”といったお便りなども頂戴し、悦に入っています。
そういえば10年ほど前、料理家の辰巳芳子先生に取材をしたことがあったのですが、その時先生が、小さなご飯茶碗(それは瀬戸物でしたが)をふたつ見せてくれました。それは母上である辰巳浜子先生が幼かった芳子先生と弟さんのために求めたもので、それはそれは愛らしいものでした。「当時、母は18歳、19歳だったと思うけれど、こうしたものを子どもに選んだその美意識には頭が下がりますね」とおっしゃって、大事そうにお茶碗をなでていた芳子先生の姿がとても印象的だったのを覚えています。
食べることの基本はもちろん“生の営み”ですが、食を通してちびちゃんたちが“幸せ”や“歓び”もたくさん感じて、健やかに育って欲しいと心から思う、今日この頃です。
|
 |