味彩通信
Vol.34-2003.11
しょっちゅう焼酎

 “下戸の建てたる家もなし”という言葉がありますが、本当にお酒が飲めなかったら今頃マンションの頭金ぐらいは貯まっていたかも、としみじみ考えてしまうくらいお酒に目のない私。「元気?」と聞かれるかわりに「飲んでる?」と言われてしまうのが、我ながらどうかと思うのですが、確かにこれが私の元気の素。というかお酒が飲めないときは本当に具合の悪いときで、健康のバロメーターの役割もはたしているという次第。その時々で、ワインを飲み続けてみたり、やたらと日本酒を買い込んでみたりしていますが、もっぱらこの2〜3年愛飲しているのが焼酎です。

 かつて焼酎といえばオッサンの酒というか、なんとなく垢抜けないお酒というイメージがありましたが、実は醸造酒などに比べてカロリー控えめ、二日酔いにもなりにくく、女性にとってもなかなかうれしいオマケ付き。さらに最近の研究で、血栓を溶かしてくれる効果があることがわかったとかで、ただいまちょっとしたブームが到来。酒屋さんでも焼酎のコーナーを設けるところが多くなってきました。

 私が学生だった頃にも、酎ハイやサワーといったいわゆる甲類の焼酎がブームになったことがありましたが、現在人気があるのは本格焼酎と呼ばれる乙類。甲類と乙類は蒸留の方法に違いがあるのですが、一般に甲類は無味無臭に近く、原料は廃糖蜜や粗留アルコールを使ったもの、乙類は主に農産物を原料として、昔ながらの製法で造られているのが特徴です。すっきりと上品な米焼酎、香ばしい麦焼酎、ふっくらと豊かな味わいの芋焼酎などバリエーションも豊富、蔵元ごとにも個性があり、日本酒やワインと比べても、まさるとも劣らない奥深さ。

 またこの本格焼酎、なかなか懐の広いヤツで、肉でも魚でも合わせる料理を選びません。なので刺身に洋風のサラダ、中華風の炒めものが一緒に並ぶような家庭の食卓にはぴったり。この季節ならアツアツのお鍋に、オンザロックの焼酎というのもなかなかオツもの。

 どれ、今宵もその懐にゆるりと身を委ねてみますか。

佐伯明子

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