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「暑い!」と口にするだけで、暑さが倍増しそうなこの季節。といってもワタクシ、もともとがイヤシイ系なもので、食欲が減退することなどめったにないのですが、それでもやはりこの季節、恋しくなるのが冷たい麺。
つるつるむにむにとした食感の麺に、パリパリのキャベツのキムチの取り合わせがさわやかな盛岡の冷麺、ほっそりとなめらかな舌触りの稲庭うどん、きゅうりと揚げかす、紅しょうがの取り合わせが絶妙の冷やしたぬき…と、こうして書き連ねているだけでも、よだれが出そう。しかし数ある夏の麺の中で、自宅でも手軽に作れるそうめんは、特にお気に入りです。
というわけで先日、とある雑誌の取材で、全国でも有数のそうめん産地・小豆島に取材に行って参りました(ちなみに担当させていただく企画というのは、基本的にこちらからはリクエストできないのですが、折に触れて編集者に「お寿司に目がなくて」とか「夏はやっぱりそうめんに限りますよねぇ」とか言いふらしておくと、ひょっとしたタイミングでそういう仕事が回ってくるのです。ふっふっふ)。
さて、お邪魔したのは井上明輝さんという製造者の方のお宅。小豆島では、そうめんを作っている製造元のうち約7割が組合に所属し、10〜3月に作られるものは「島の光」というブランドを確立していますが、その中でも未だに手作業でそうめんを作っているのはごく一部とか。井上さんのところでは、ご夫婦二人での作業。朝の3時から粉をこね、手と昔ながらの機械を使って生地を細く延ばします。この時、ごま油を薄くまとわせていくのが小豆島流。小指の径ほどに細くなった生地をさらに2本の棒に8の字にかけ、それを機(はた)にかけてさらに延ばし、長い箸でさばき、天日にさらし・・・合間合間に多少の休みは入るモノの、ホントに一段落するのは午後3時過ぎ。ふ〜。
「こんなに手間がかかるんですもの、おいしいワケですよねぇ」という私たちに、井上さんは「そりゃあ、作る方はうまいと思うてつくりよるよ。時々、なんであんなにおいしいのいう人もあるけど、そんなことゆうたって、口におうたんちゃうかっていうしかないわね」と、ニヤリ。
帰京してから、お土産にどっさりいただいたそうめんをさっそく試食。井上さんに教わったとおり、鍋にたっぷりのお湯を沸かし、そうめんをパラパラ。ほどよい硬さになったところでざるにあけ、氷水でしめて、これまた水に氷を浮かべた器へ。つややかなそうめんをつゆにくぐらせ、いざ、ちゅるるん。細いながらもしっかりとあるコシ、ふわりと鼻に抜ける粉の香り、喉元を滑るように落ちていく幾筋ものひんやり感。あ〜、これぞ至福の夏だぁ。思わず小豆島の方に向き(ホントはどっちかよくわからないけれど)、深くこうべを垂れた私でした。
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