味彩通信
Vol.27-2002.6
中国茶の緑茶

 このところペットボトルの中国緑茶を、コンビニなどで見かけるようになりました。これまで日本では中国茶といえばイコール烏龍茶かジャスミンティ。そして緑茶といえば日本茶が常識。

 しかしコマーシャルでもうたわれているように、本来、中国では緑茶の常飲人口が8割を占めるといわれています。中国は乾燥している地域が多いせいか、あちらの人々は一日中、お茶を手元において、ひっきりなしにガブガブ。

 昨年、上海に遊びに行った時のことです。タクシーに乗って、ふと運転席の横に目をやると、インスタントコーヒーのビンのようなものがぶらぶら揺れていました。なんだろうと思って、よくよく目をこらすと、薄緑色の液体の中に葉っぱのようなものがふわふわ。そう、緑茶だったのです。

 改めて街を見てみれば、公園で午後のひとときを過ごしているおじいさんたちの脇にも、屋台のおばさんたちがこしかけている小さな椅子の横にも、同じようなビンがちんまりと置いてあります。茶葉をこまめに替えるのではなく、飲んではお湯を足し足し、一日中持ち歩くのがご当地流。魔法瓶など七面倒くさいものではなく、丈夫で元手のかからない空きビンを使うというあたりが、これまたなんとも大陸的、と妙なところに感心してしまいました。

 さて、気になるのはそのお味。街の茶葉屋さんをのぞくと、100グラム100円ぐらいのものから、数千円のものまでランクもピンからキリまであります。もちろん、ガブ飲み用の普段使いにはお安いものが人気だそうですが、私はちょっぴり張り込んで、1000円から2000円ぐらいのものをいくつか買ってみました。ちなみに緑茶といってもいろいろな種類があって迷うところですが、私が選んだのは“龍井”。

お茶とおつまみの写真
キャプション
 茶壺と呼ばれる急須に、茶葉を大さじ2くらいパラパラ。熱湯をたっぷり注いで、待つこと3分強。茶杯に注ぐと、淡い緑が揺れ、かすかに若草のような香りがしてきます。ひとくち含むと・・・日本茶が蒸して甘みを強調して作られるのに対して、炒って香りを引き出すように作られる中国茶はほんのり苦く、ややざらっとしたベルベットのような舌触り。探るようにもうひとすすりすると、口の中はさっぱりと清々しく、喉元を落ちていくごとに体まで薄い緑に染まるよう。また、いくつか飲み比べると、香り、味わいにそれぞれ違いがあり、う〜む、これがなかなか奥深い。

 茶葉はもちろん日本でも買えます。最近は全国に中国茶専門店ができてきましたし、インターネットなどで通販をやっている店も少なくありません。日本でも新茶が珍重されるように、中国でも春から初夏はお茶の最盛期とか。ペットボトルも悪くないけれど、中国茶、はまってみると、結構、イケます。
佐伯明子

佐伯明子さんのプロフィールはこちら


INDEX