味彩通信
Vol.24-2000.7
「予防の100円は治療の1万円」生活習慣の改善は、手軽な予防策
2000年4月7日、東京・新橋のヤクルトホールにおいて、第21回健康づくり提唱のつどいが開催されました。「予防の100円は、治療の1万円に匹敵する」。開会の挨拶で、主催者の日本栄養士会 藤沢良和会長がいかに予防が大切であるかを述べられました。

また厚生省生活習慣病対策室の杉浦室長も「健康で豊かに暮らすためには、単に病気の早期発見や治療にとどまらず発病を予防する『一次予防』を重視することが必要」と熱く話されました。生活習慣病やQOL(生活の質)が日々の食生活と大きく関わっていることから、身体的だけでなく精神的、社会的にも関連の深い『食』をもう一度見直し、世界一の長寿国となった日本が今後「世界一健康な長寿国」となるための話し合いが行われました。今回はその一部をご紹介いたします。

脂質・動物性タンパク急増
◆食事事情の大きな変化 →
 ・主食が減っておかずの多い食生活
 ・50年の間に大きく変化している。
◆エネルギー摂取量が減少しているにもかかわらず、脂質と動物性タンパクの摂取が2.5〜3倍と大きく増えている。(動物性タンパクと死亡率は相関関係にある)

65歳以下の死亡者は50年間で大きく減少しているが、近年主要疾患死亡者の約2/3(62.3%)は、ガン・心臓病・脳卒中・糖尿病・高血圧症などの生活習慣病が原因で亡くなっていると考えらます。

生活習慣を見直して
最近では歯周病も生活習慣病の1つとされ、全身疾患との関わりが注目されています。例えば糖尿病。歯周病治療が糖尿病患者の血糖コントロールの改善に関与していることも分ってきました。また、アメリカでは歯周病の細菌が心臓病の危険因子となっていると報告されています。生活習慣病のもっとも大きな要因は、「肥満」といわれていますが、最近では見かけは細い「隠れ肥満」の人も多く、その原因に食生活の乱れ、偏った食事が挙げられています。また先日の新聞で、むし歯のある子どもの生活習慣は、乳児期に哺乳瓶でジュース類を飲ませる、好き嫌いが多い、夜の間食、おやつの食べ方がルーズなどのタイプが多いと書かれていました。生活習慣と歯は関わりが深く、子どもの頃から食に対する意識や習慣を育てていくことが大切です。

 今回の催しは主催が日本栄養士会ということもあり、参加者の多くは管理栄養士や栄養士の方々でした。特に印象に残ったのは、藤沢会長の「予防の100円=治療の1万円」という言葉で、日々の生活習慣(食生活・運動習慣etc.)を見直し、実践していくことが身近で安価に出来る最大の予防策ではないかと感じました。またそれらを子ども達に伝え、考えさせることが、将来健康で、楽しく、豊かな生活を送るための第一歩となり、日本が真の意味で「世界一の長寿国」につながっていくのではないかと思いました。
参考文献:第21回健康づくり提唱のつどい発表データ、東京新聞、毎日新聞(大阪版)、薬事日報



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