味彩通信
Vol.16-1999.7
Beerの季節がやってきた!
「とりあえずビール!」ビールの美味しい季節がやってきました。最近はワインにおされ気味とは言え、お風呂上がりやスポーツの後など、喉の渇きを潤すにはやっぱりビールが最高ですよね。また数年前から日本各地で地ビールが誕生し、それぞれ個性を出しています。試してみるとビールもなかなか奥が深いものです。今回はそんなビールについてお話致します。


ムシ歯予防にも???
ムシ歯予防に効果を発揮するフッ素。ナント!ビールにも含まれているのです。フッ素は自然界にある元素の1つで海水、河川水、植物にも必ずといっていいほど含まれています。公衆衛生的な虫歯予防として水道水にフッ素を添加している国も数多くあります。日本ではまだ検討段階ですが、虫歯予防と銘打ってビールの飲みすぎには注意しましょう。

水の不思議
ビール成分の90%以上を占める水。そしてその水によって出来るビールの色が違ってくるのです。 一般にミネラルの少ない軟水からは淡色ビール、ミネラル分の多い硬水からは濃色ビールが出来上がります。ちなみに硬水のミュンヘンでは濃色のコクと苦みのあるビールが、軟水のピルツェンでは淡色のすっきりした味わいのビールが出来るのです。
エコロジーな飲み物
主発酵を終えた酵母と、貯蔵タンクに残った酵母は、きれいに洗浄された後に乾燥され乾燥酵母になります。これにはたんぱく質やビタミンB類、ミネラルが豊富に含まれていますので消化剤の製薬原料として利用されます。またろ過して出来るモロミの搾り粕も家畜の飼料として使われておりビール作りには無駄がありません。
ビールを美味しく飲むコツ
★缶のままではなくグラスに入れて
注ぐ時にビール中の炭酸が適度に抜け、苦みのバランスが良くなるのです。
★グラスは斜めにしない
炭酸ガスの抜けが適度で無くなるそうです。
★3度に分けて注ぐ
1. グラスの底に溜めるように静かに注ぎ適度に泡立ったらストップ。
2. (1)の泡をそのまま押し上げるように注ぐ。泡が少ないときは勢いを増たりして調節。グラスの縁まで注ぐ。
3. グラスの縁から泡を持ち上げるように注ぐ。
★ビールと泡が7:3の黄金比率
★アワが消えないうちに5口程度で飲み干す
★注ぎ足しは禁物。

ビールの本場ドイツでは、地域や店によってビールの味がそれぞれ違います。ハイデルベルクの酒場では通いビンを持ってビールを買いにくる人もいました。日本でも地ビールのブルワリーが各地にできています。お気に入りのブリワリーでビールを買って、気の合う仲間とワイワイやりながら飲みたいですね。熱い夏、ビールでスキッ!と元気に過ごしたいものです。くれぐれも飲みすぎには注意しましょう!
参考文献:同文書院「おいしい地ビールガイド」、DHC「世界ビール党読本」、サッポロビール「ビールの達人」、学建書院「これからの虫歯予防」



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